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- 不動産業の新卒3年以内離職率は約36.5%で、全産業(33.8%)より約3ポイント高い
- 賃貸管理・仲介会社35社の公表データでは、定着率の中央値は97%
- 会社による差が大きく、採用数・離職者数・残業・休みをあわせて確認したい
不動産会社に新卒で入ると、すぐ辞める人が多いのではと心配する方は多いはずです。この記事では、厚生労働省の統計と、賃貸管理・仲介会社35社が就職情報サイトで公表している新卒の採用・離職データをもとに、不動産業界の新卒離職率の実態を整理します。
この記事は、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」と、マイナビ(働き方データ)で各社が公表している「直近3年間の新卒採用者数・離職者数」を賃貸仲介wiki編集部が集計したものです(2026年10月確認)。口コミサイトの情報は使っていません。
目次
結論:業界全体は3人に1人以上、会社による差が大きい
厚生労働省の調査では、2022年3月に大学を卒業して「不動産業、物品賃貸業」に就職した人の3年以内離職率は約36.5%でした(就職者14,591人のうち5,332人が離職)。全産業の33.8%より約3ポイント高い水準です。
一方、賃貸仲介wikiで集計した賃貸管理・仲介会社35社では、直近3年間に入社した新卒3,803名のうち離職者は364名で、在籍している割合(定着率)は90.4%でした。35社の定着率の中央値は97%です。
つまり、業界全体では離職が多めでも、公表データを見ると定着率が高い会社が多くあり、会社による差が大きいことが分かります。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」、厚生労働省「新規大学卒業就職者の産業別離職状況」(PDF)
厚生労働省の統計で見る不動産業の新卒離職率
| 対象 | 2022年3月の大学卒業者で「不動産業、物品賃貸業」に就職した人 |
|---|---|
| 就職者数 | 14,591人 |
| 1年目の離職者 | 2,224人 |
| 2年目の離職者 | 1,792人 |
| 3年目の離職者 | 1,316人 |
| 3年以内の離職率 | 約36.5%(全産業は約33.8%) |
離職は1年目が最も多く、年数が経つほど減っていきます。入社1年目は、仕事の覚え始めと繁忙期が重なりやすい時期です。不動産業には、営業ノルマのある売買・賃貸仲介や、土日出勤の多い店舗の仕事が多く含まれることも、全産業より高い理由の一つと考えられます。
出典:厚生労働省「新規大学卒業就職者の産業別離職状況」(PDF)
賃貸管理・仲介会社35社の新卒定着率
各社が公表している直近3年間の新卒採用者数と離職者数から計算した定着率の分布です。
| 定着率 | 社数 |
|---|---|
| 100%(離職0名) | 9社 |
| 95%以上100%未満 | 14社 |
| 90%以上95%未満 | 7社 |
| 80%以上90%未満 | 2社 |
| 80%未満 | 3社 |
35社のうち23社が95%以上でした。定着率100%だったのは、西武不動産、三井不動産レジデンシャルリース、小田急不動産、近鉄不動産、京王不動産、ジェイアール東日本都市開発、東京メトロ都市開発、京阪電鉄不動産、静鉄プロパティマネジメントの9社で、鉄道系・大手デベロッパー系の会社が目立ちます。
採用人数が多い会社でも、三菱地所コミュニティ(146名中離職1名)、大和リビング(166名中離職2名)、三井不動産リアルティ(711名中離職31名)は高い定着率です。一方で、ハウスコム(287名中離職135名)、住友林業ホームサービス(89名中離職27名)、東急コミュニティー(302名中離職70名)は70%台以下でした。
会社ごとの数値は新卒定着率ランキングで一覧にしています。
出典:マイナビ2027・2028 各社会社概要(働き方データ)
データを見るときの注意点
会社の公表データと厚生労働省の統計は、数え方が違うため単純には比べられません。
- 在籍期間が短い人が含まれる:会社の公表値は「直近3年に入社した人のうち、今までに辞めた人」の数です。入社して間もない人も含むため、3年以内離職率より低く出やすくなります。
- 採用人数が少ない会社はぶれやすい:採用が10名前後の会社は、1人辞めるだけで定着率が大きく変わります。
- 公表しない会社もある:離職者数を公表していない会社は集計に入っていません。
- 掲載の版で数値が変わる:同じ年度でも、就職情報サイトの掲載年版によって数値が修正されている例があります。
入社前に確認したい3つのポイント
1. 新卒の採用数と離職者数を両方見る
定着率だけでなく、何名採用して何名辞めたかを確認します。就職情報サイトの「働き方データ」や、会社説明会で質問すると分かることがあります。
2. 残業時間と有給取得日数をあわせて見る
離職の理由として多いのは労働時間や休みの取りにくさです。残業の少なさランキングや有給休暇の取りやすさランキングも参考にしてください。
3. 若手の育成の仕組みを確認する
メンター制度や宅建の取得支援があるかどうかも、1年目を乗り越えられるかに関わります。
よくある質問(FAQ)
Q. 不動産業界は新卒の離職率が高いですか?
厚生労働省の調査では3年以内離職率が約36.5%で、全産業(約33.8%)より高めです。ただし、会社ごとの差が大きく、公表データでは定着率95%以上の会社も多くあります。
Q. 定着率が高い会社の特徴は?
今回の集計では、鉄道会社系や大手デベロッパー系の管理会社で定着率100%の会社が目立ちました。残業が少なく、年間休日が多い傾向もあります。
Q. 1年目で辞めたくなったらどうすればいいですか?
賃貸仲介を辞めたいときの判断基準で、続けるか転職するかの考え方を解説しています。
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不動産業の新卒の3年以内離職率は約36.5%で、全産業より少し高い水準です。一方、賃貸管理・仲介会社35社の公表データでは定着率の中央値が97%で、会社による差が大きいことが分かりました。就職先を選ぶときは、採用数と離職者数、残業時間、休みの取りやすさをあわせて確認しましょう。